Eagle Eye Networks

日高都市ガス株式会社

1月 8, 2021 Eagle Eye Networks

Hidakagas

今回の導入事例は、ガス供給会社が取り組んでいる都市ガスシステムの予防保全に映像による可視化を導入した内容で、具体的にはガス供給会社の貯蔵設備であるガスホルダーから各事業者までの輸送経路の間にある地区ガバナ(整圧器)を対象とした映像監視システムです

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ガスホルダー
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監視カメラ

設備の可視化の必要性

ガス輸送経路は、圧力計や各種警報計器により安全な供給を実現しています。ガス供給会社の敷地内にあるガスホルダーは、計装機器と映像監視による厳重な体制が整備されています。

一方、ガス供給区域内に設置してある複数の地区ガバナに対しては、一般的には圧力計や各種警報計器による監視と保安担当者の巡回による目視確認を実施しています。しかし目視確認には時間的な制約や地理的な状況そして人的負担などがあり、課題解決が急がれています。

そこで、埼玉県日高市にあるガス供給企業の日高都市ガス㈱は、供給区域内にある複数の地区ガバナに映像監視システムを設置しました。この導入により24時間365日管制室内で遠隔で映像監視することができ、何らかの事態の発生や発生が懸念される状況を把握することができた場合、即座に対応することができるようになりました

導入時の課題

同社で遠隔による映像監視システムの導入を検討した際に、幾つかの課題が明らかになりました。

●映像監視システムの管理

一般的な映像監視システムの場合、監視カメラと録画機器そしてインターネット接続機器で実現することができますが、ライフライン管理という重要性から厳格な情報およびサイバーセキュリティ体制を確立しなければなりません。

システム・メンテナンスの負担

また、インターネット通信状況の確認やカメラと記録機器等のメンテナンスなどについて、担当者の配置による人的および経済的負担を考慮しなければなりません。また、サイバーセキュリティをはじめITに関する様々な事態の迅速な解決も懸念材料です。

●情報の保全および共有化の確立

ガス保安管理責任者は、あらゆる状態を想定して遠隔映像監視システムで得ることができた情報を「いつでも、どこでも」確認することができる必要があります。

Eagle Eye Cloud VMSを導入

- 日高都市ガス株式会社日高都市ガス㈱がイーグルアイネットワークスのクラウド映像監視システムの導入を決めたのは、下記の理由からでした。

●専任システム担当者が不要

Eagle Eye Cloud VMSは、導入後の管理をイーグルアイネットワークスのスタッフが担当するため、日高都市ガス㈱はシステム管理で負担することがなく、映像監視内容の確認に集中することができます。

●システム・メンテナンスの負担の軽減化

Eagle Eye Cloud VMSでは、ローカルに設置する録画機器でなくクラウドシステムを使用するため、録画機器のサポートやメンテナンスの必要がなく、また監視カメラと通信システムの遠隔管理が可能なため、導入側の日高都市ガス㈱はシステム全体のメンテナンスから解放されます。

●情報の保全と共有化の実現

Eagle Eye Cloud VMSで得られた情報は、厳格な規定に基づいて権限を持つ者だけが予め設定されたPCでのみアクセスすることができます。また、Eagle Eye Cloud VMSのミッションクリティカルなセキュリティ機能により、外部への漏洩や無権限者や無承認機器からのアクセスを防御することができます。

システムの構成

本案件のハードウェア構成は、屋外用バレット型カメラEni-CDUB-008a、最大15台のカメラが接続することができる  ブリッジeNi-SU305-0、そしてルータです。

Diagram1
中央管制室右端にあるのが警報器
中央管制室右端にあるのが警
報器
映像監視の全体画面
映像監視の全体画面
監視箇所の一カ所を拡大した画面
監視箇所の一カ所を拡大した
画面

Eagle Eye EN-CDUB-008Aは、コストが最適化された高性能1080p屋外電動カメラで、昼夜を問わず鮮明にするために必要な全ての機能が組み込まれています。

Eagle Eye eNi-SU305-0は、遠隔から管理可能なPoEカメラポートを4つ搭載し、過酷な環境に耐久の産業用用途に設計されています。騒音を考慮したファンレス設計と、広い温度範囲カバーしています。

導入効果

今回、地区ガバナにイーグルアイネットワークスのクラウド映 像監視システムを導入したことで、次のような効果も得られました。

●負荷の少ない管理とメンテナンスの実現

特筆すべき点は、イーグルアイネットワークス側がオフショアでシステム管理とメンテナンスを一手に引き受け、通信状況や機器の死活状況などシステムの各部を担当していることです。これにより、ユーザもシステム構築企業も正常な運用を確保することができます。その結果、日高都市ガス㈱はシステムの維持と管理の業務から解放されました。

●「いつでも、どこでも」閲覧で対応の迅速化を実現

権限者は承認されたPCで社内でも自宅でもリアルタイムに地区ガバナを視認することができます。そのため、イベント発生時でも現状確認も速やかに現状確認することができます。

●出動回数の減少

これまで現地に赴き目視確認するための出動回数が、地区ガバナの遠隔監視により大きく減少しました。その結果、24時間365日という過酷な監視体制での負担が軽減されました。

●副次効果

地区ガバナの監視映像は、周辺区域の映像も記録しモニタリングすることができるため、これまでに、大雨時の近辺にある水路の溢水を確認することができ、地区ガバナへの浸水の回避や車両による防御フェンスへの損傷を検出することができました。

今後の展望

日高都市ガス㈱は、既に遠隔映像監視システムを導入して大きな効果を得られましたが、さらにシステムを改善したいと考えています。

●映像監視範囲の拡大

地区ガバナの敷地は9㎡から100㎡まで幾つかの広さがあり、映像監視範囲が異なります。そこで、現在使用中の固定カメラをPTZカメラや360度カメラなどと置き換えて、敷地面積や副次用途に合わせて映像監視範囲を拡大することができないか検討しています。

イーグルアイネットワークスでは、Eagle Eye Cloud VMSが複数のサードパーティ製カメラをサポートしているため、最適なカメラへの置き換えは可能です。

- 日高都市ガス株式会社より頑強な監視機器の導入

今後自然被害や人的被害の発生に備えて、これまで以上に耐衝撃型や防爆型などといった頑強な製品の導入を考えています。法的な規制や要件また導入台数とコスト面を含めて対応策を検討しています。

●バックアップ電源の確保

一般的に100Vのバックアップ電源では3時間程度しか電源を確保することができないので、さらに長時間確保したいという希望があります。これに対しては、24Vのバックアップ電源で8時間以上の電源確保を計画しています。

まとめ

このように、イーグルアイネットワークスのEagle Eye Cloud VMSは、これまで導入事例が希少であったライフラインの一つ  であるガス供給システム市場を新たに開拓しました。

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(セキュリティ国際情報誌 a&s Japan No.79 掲載記事)

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