イーグルアイネットワークスサーマルカメラを使用した 発熱計測実験ホワイトペーパー

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現在の新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、サーマルカメラへの関心は一層高まっています。体温上昇の検知にサーマルカメラの利用を検討するのは合理的です。

はじめに

このホワイトペーパーでは、現在大きな注目を浴び、多くの技術的努力が注がれ、また急速に変化するテクノロジーを基盤とするテーマを取り上げます。体温測定にサーマルカメラを使用することに対する見解は大きく分かれており、様々な見方があります。世界各地で、その見方や慣行、習慣、規制や法律は異なります。こうした規制やテクノロジーの多くが、現在の新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)により急速に変化しつつあります。イーグルアイでは、常に新しいカメラの検証に取り組み、新たなテクノロジーの開発・試験を行いながら、お客様のニーズへの理解を深めています。

本書では、最新かつ有益な情報をまとめることに努めました。このテーマは複雑です。そのため、本書を定期的に更新し、新しいテストの結果やテクノロジー、他の製品・サービスの提供状況等を反映していく予定です。

イーグルアイネットワークスチーム
2020年4月24日

概要

現在の新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、サーマルカメラへの関心は一層高まっています。体温上昇の検知にサーマルカメラの利用を検討するのは合理的です。現時点で、インターネットはこのテーマに関する情報(新しい企業も含めて)で溢れていますが、どれが本物で、どれが希望的観測であるのか、またどれが誇張であるかを見分けることは難しくなっています。イーグルアイでは、多数のサーマルカメラを購入してテストを実施し、今日のテクノロジーでどれが実用的なものであるのかを判断しました。本書には、当社が実施したテストとそこから得られた結論の詳細を記載しています。当社のテストはすべてを網羅したものではありませんが、本書を共有することが皆様のお役に立つことを期待しています。
本書では、サーマルカメラを使って人間の体温を測定する用途に焦点を当てます。ここで注意しなくてはならないのが、新型コロナウイルスが大流行する前、サーマルカメラは、少なくとも映像監視に関連する製品であるため、主に境界侵入の検知に使用されていたということです。こうした使い方では、体温上昇を検知するためのサーマルカメラに求められるのと同じ水準の精度は必要ありません。そのため、市販されている一般的な汎用サーマルカメラの精度は、+/-5度(華氏)<摂氏+/- 2.78度>であり、体温上昇を検知するのに十分な精度ではありません。
また発熱検測実験は、コロナウイルスやその他の疾患をスクリーニングするものではないことにも留意してください。実際、ウイルスに感染している人や病気に罹患している人の中には、発熱していない人もいます。また、大半のサーマルカメラは医療用途での承認やFDAの承認を受けていませんが、医療関係者等による追跡評価や予測的診断を可能にするための初期測定値を提供する用途に適している場合があります

エグゼクティブサマリー

サーマルカメラは、適切な条件下で人間の体温上昇を検知するのに使用することができます。こうした条件を整えるのは難しい場合もあるかもしれませんが、現実的に不可能ではありません。当社がテストを実施した経験から、協力的な被験者を対象とし、同時に測定する人数を少数に抑えることが望ましいと分かりました。また、適切な条件下でサーマルカメラのテストを行ったところ、従来の体温計で測定した値の+/-0.7度(華氏)<摂氏+/-0.39>以内の温度を常に記録していることが判明しました。

システムコンポーネント

様々なシステムが市販されていますが、従来の監視システムに接続されているカメラのほとんどは、以下のものに対応しています。

  • カメラ – サーマルスペクトル
  • カメラ – 可視スペクトル
  • サーマルキャリブレーションユニット(ブラックボディ)
  • 録画システム/映像監視システム
  • ローカルディスプレイデバイス(任意)

図 1:サーマルカメラ

高機能サーマルカメラの中には、実質的に1つのハウジングに2つのカメラが搭載されたものがあり、これらは複数の異なる名称で知られています。「デュアルスペクトル」や「バイスペクトル」がその最も一般的な名称です。上の画像(図1)は、パンダに似せてデザインされたSunell社製のデュアルスペクトルカメラです。これは元々中国の学校に導入されたもので、子供たちは校内に入る際に、このパンダ型のカメラに目を向けていました。

各カメラはビデオストリームを生成し、可視スペクトルカメラはよくある監視カメラのように機能します。このサーマルカメラが、検知した温度を視覚的に表示した画像を生成します。画像は、グレースケールもしくはカラーでの表示が可能です。ほとんどのカメラで、熱データを視覚的にどのように表示するのかを選択することができます。

図 2:従来の熱監視カメラによる視覚像と熱画像

上の画像(図2)はEagle Eye Cloud VMSに接続されたデュアルスペクトルサーマルカメラによるものです。これは従来の映像監視用デュアルスペクトルサーマルカメラであり、体温上昇を検知する用途のカメラではありません。この画像について、注意すべき点がいくつかあります。その一つとして、視野が異なることがあります。可視カメラは、サーマルカメラよりも広い視野を捉えることができます。可視カメラの視野には2台の車両が入っています。一方、サーマルカメラの方は1台だけです。可視カメラは画像上部の車道を捉えていますが、サーマルカメラの方には映っていません。このカメラの視野の違いは非常に一般的なものです。また、解像度に関してはサーマルカメラの方がかなり低くなります。そのためサーマルカメラの画像は「ブロックノイズが多い」ように見えます。サーマルカメラの解像度は、一般的に可視スペクトルカメラよりも大幅に低いというのが現状です。

サーマルキャリブレーションユニット

サーマルキャリブレーションユニットは「ブラックボディ」とも呼ばれ、周囲のエネルギーを反射せず特定の温度を維持する装置です。サーマルカメラ用の一定の温度基準点として使用されます。すべてのサーマルカメラに校正器が必要なわけではありませんが、あれば用途が広がります。校正器には電力が必要ですが、カメラやVMS/レコーダーには配線されません。規定の温度をブラックボディに手動で設定すると、その温度を基にサーマルカメラが校正されます。サーマルキャリブレーションユニットは通常、発熱スクリーニングのようなより高精度の温度測定値が求められる場合に使用されます。

一部のサプライヤーはサーマルキャリブレーションユニットとセットでカメラを販売していますが、そのようなサプライヤーは稀です。映像監視システムに接続されているカメラのほとんどに校正器は付属していません。セキュリティ業界でサーマルキャリブレーションユニットやその使い方に詳しい人材は、多くはありません。

図 3:自身が放射している温度を
表示する校正器(摂氏表示)

録画システム/映像監視システム

通常、カメラはレコーダーに接続されます。今回の実験では、発熱検測をサポートする拡張機能を組み込んだEagle Eye Cloud VMSを利用しました。このカメラはイーグルアイブリッジに接続されます。Eagle Eye Cloud VMSは、前掲の図2に示したように可視スペクトルカメラとサーマルカメラの両方の映像を記録し、さらにサーマルカメラが生成する温度測定データを取り込みます。つまり、温度が特定の時間に関連付けられるので、温度、時間、人物を基に検索することができます。温度が指定の範囲を超えた場合に通知を出すこともできます。つまり、温度が高い場合に通知できるということです。通知方法は複数ありますが、電子メールが最も一般的です。通常の通知内容には、人物の画像、検知した温度、高温を検知したカメラの名前と場所が含まれます。

ローカルディスプレイデバイス

検知温度をすぐ確認するために、オプションとしてローカルディスプレイが使用されることがあります。このディスプレイモニターはレコーダーに接続され、可視スペクトルカメラやサーマルカメラのリアルタイム映像を表示します。映像を確認する目的では役立ちますが、人間のオペレーターがリアルタイムで記録されるすべての温度を読み取るのは、一般に難しいでしょう。人間がリアルタイムで画面を確認するよりも、アラートを発信するシステムを使用する方が信頼性は高くなります。過度の温度上昇の検出時にベルやアラームで通知する機能は、多くのシステムに搭載されています。

世界の現状

世界各地で自宅待機ガイドラインが緩和されていることに伴い、多くの企業や組織が、従業員、顧客、訪問者が安心感を得られる環境を提供するソリューションを探しています。発熱がある人を詳しく評価する必要性の有無を判断するための事前測定ツールとして、サーマルカメラを使用している企業がニュースなどで取り上げられています 。企業の中には、人が携帯型体温計を使って温度を測定しているところもあります。

1https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-amazon-com-cameras/exclusive-amazon-deploys-thermal-cameras-at-warehouses-to-scan-for-fevers-faster-idUSKBN2200HT

携帯型体温計の使用

携帯型体温計は、入手しやすく使い方も簡単です。ほとんどの家庭の薬箱の中に1つはあるはずです。体温計は、対象が少人数であれば問題なく使えます。しかし、建物に入る人の数が増えると、測定を実施する人も増やす必要があります。測定実施者の人数が増えると、一貫性と精度が低下します。さらに、ほとんどの携帯型体温計では、測定値を書き留めるか、コンピューターシステムに手動で入力する必要があります。そのため、システムを開発し信頼できるものにすることは困難です。また、測定対象者に近づく必要があるため、測定実施者にリスクが伴います。測定実施者が多くの人に近づくことに不安を覚えてしまい、そのため体温計が適切に使用されず、スクリーニングの過程が全く信頼できないものになるということが報告されています。

自動デュアルセンサー搭載サーマルカメラシステムの使用

自動化システムに課題はつきものですが、導入すれば多くの問題が解決されます。自動化システムは適切に設置し、校正する必要がありますが、人的エラーのほとんどは取り除かれます。事前測定に用いるのに最適です。対象者が測定エリアを通り抜けると、対象者の体温が自動的に読み取られます。システム導入の内容に応じて温度は保存され、特定の閾値を上回った場合は通知されます。そして、対象者がさらに詳細な測定を受けるために別の場所へと回されます。

この方式では、より多くの対象者を測定することが可能になり、測定実施者の負担も軽減され
ます。事前測定で選別された対象者にはさらに詳細な測定を行うことになりますが、二次測定が必要な対象者の数は、建物の入館者全体のごく一部です。デュアルセンサーのソリューションは完全ではないため、コストを含め、利点と欠点を状況ごとに比較検討する必要があります。

Eagle Eye Cloud VMSの統合と機能

Eagle Eye Cloud VMSは、ほとんどのサーマルカメラが持つ3つの機能と連動します。イーグルアイは、対象者ごとに映像ストリーム、サーマルストリーム、温度データを記録します。これら3つは独立しているものの、組み合わせることで、レポートやアラートのための有益な情報となります。以下では、このデータの使い方と保存方法について詳しく説明します。

録画と保存

Eagle Eye Cloud VMSは、サーマルカメラの映像ストリームを録画します。これはシングルスペクトルカメラとデュアルスペクトルカメラの両方で機能します。映像ストリームは、状況に応じて、7日間から5年間にわたって安全に保存されます。また、映像の一部だけ、つまり「クリップ」を設定保存期間を超えても保存できる長期間アーカイブ機能があり、また、第三者と簡単に共有することができます。

アラートとレポート

管理者は、アラートの閾値と、温度がその閾値を超えた場合の通知配信先リストを設定することができます。つまり、摂氏37.8°C(華氏100°C)の体温の人がいる場合、現場責任者宛に通知を送信することができます。アラートは、電子メール、または携帯電話やタブレットへのプッシュ通知を利用することができます。
測定対象人数や、閾値を上回った人数と下回った人数を表示するレポート機能も利用可能です。また権限のあるユーザーは、アラートが発生した測定値の該当映像を閲覧することができます。

ユーザーアクセス

各ユーザーは、Eagle Eye Cloud VMSにアクセスするための一意のユーザーIDとパスワードを持ちます。イーグルアイが提供する、堅牢かつ粒度の細かいアクセス管理システムによって、特定のカメラを特定のユーザーだけが閲覧できます。これには、映像の閲覧、設定の変更、レポートの実行などが含まれます。システムには、WindowsコンピューターやMacから任意の最新ウェブブラウザーを使って、あるいはiOSやAndroidの専用モバイルアプリを使ってアクセスすることができます。アクセスは、カメラが設置されている建物内からだけでなく、外出先や他の国からでも可能です。複数のユーザーが、どこからでも同じカメラにアクセスして、映像を同時に閲覧することができます。発熱計測の用途では、人の健康と体温に関するデータは個人情報です。そのため、データ保護が重要になります。

設置が簡単

Eagle Eye Cloud VMSは、ネットワークを含め簡単に設置できるように設計されています。最初に、カメラとイーグルアイブリッジを接続します。これは、PoEスイッチを使用するか、PoEが組み込まれたイーグルアイブリッジを使用することで完了します。イーサネットケーブルでカメラをスイッチに接続してから、別のイーサネットケーブルでそのスイッチをブリッジ上の「CamLAN」と表示されたポートに接続するだけです。これにより、ブリッジはカメラネットワークを管理できるようになるとともに、カメラをインターネットから切り離してサイバーセキュリティ対策が施されたレイヤーを提供できるようになります。

ネットワークセットアップの次の手順は、ブリッジをインターネットに接続することです。ブリッジの「WAN」ポートと、インターネット接続機器(ネットワークルーター、WAN接続機器、モバイルルーターなど)をイーサネットケーブルで接続します。物理的な接続が完了すれば、ノートパソコン、携帯電話、タブレットから設定を行うことができます。

初期設定だけでなく、以後のメンテナンスも簡単に行えます。

サイバーセキュリティ対策

Eagle Eye Cloud VMSは、様々な側面でシステムをサイバー攻撃から守るという原則に沿って開発されました。サーマルカメラの導入に関連する2つの重要なコンセプトが、サイバーカメラロックダウン機能と、イーグルアイブリッジがインバウンドポートを必要とせずイーグルアイクラウドとだけ通信することです。

サイバーカメラロックダウンにより、カメラがインターネットから切り離されます。これにより、インターネットからカメラに直接アクセスされるのを防ぎ、カメラからインターネットへの通信をブロックします。過去には、悪質なコードがインストールされているカメラが散見されました。サイバーカメラロックダウンにより、こうしたコードによる外部システムとの通信を遮断します。

また、ブリッジに採用されているクラウドとの通信方式により、外部システムや悪意のあるユーザーがブリッジと、さらにはブリッジに接続されているカメラと通信するのを防ぎます。ブリッジがイーグルアイクラウドとの間で開始する接続は、証明書を介して認証される安全なトン ネルで行われます。こうした技術方式によって、権限のあるユーザー以外が映像を閲覧できないようにし、システムのセキュリティ侵害を防いでいます。サイバーセキュリティに関するその他の情報については、イーグルアイのサイバーセキュリティホワイトペーパーをご覧ください 2

2サイバーセキュリティとクラウド映像監視 https://www.een.com/ja/cyber-security-cloud-video-surveillance/

イーグルアイ発熱計測実験- 例1

当社は約4週間にわたり、サーマルカメラを発熱計測に使用する実験を実施しました。現時点ではすべての項目を網羅してはいません。しかしながら、実社会の状況を想定した実験や研究と比較する評価を行ったことで、一定の知見を得ることができました。当社の試験は、個人単位やペア単位で実施し、大人数のグループ単位での試験は実施していません。試験と比較をいくつか実施しました。以下では、その試験の一例について詳しく説明します。

設置例1

テキサス州オースティンの当社オフィスの、入口近くの屋内に設置した例です。試験を行ったカメラの測定点からカメラまでの推奨距離は、約3~4メートル(10フィートから13フィート)です。図4は、設置された機器を示したものです。サーマルカメラはブラックボディでキャリブレーションを行いました。カメラは、イーグルアイブリッジを使ってEagle Eye VMSに接続されています。温度測定値などを含むカメラのライブ映像を表示するローカルディスプレイモニターもあります。キャスター付きカートを使って設置されており、これは長期間の設置方法として理想的ではありませんが、今実験では十分に機能しました。

図 4: サーマルキャリブレーションユニットと
一緒に設置したカメラの図

図 5:オフィス入口に設置されたサーマルカメラ

実験方法

複数のサーマルカメラを使い、入館する対象者の体温を自動で取り込みました。その後、対象者の体温を額非接触式体温計を使って測定しました。使用した体温計のモデルはQQcute FT-100Aで、定格精度は +/-0.4度(華氏)<+/- 0.22(摂氏)>です。

実験 – 1

7名の対象者に対し3回ずつ測定を行い、その結果を記録しました。幸いなことに、対象者の中に体温上昇がみられた人はいませんでした。その反面、この実験のために体温が上昇した状態を作りださなければならなくなったという意味では不運でした。蒸しタオルやヘアドライヤーなどで体温を上昇させる方法を複数試した結果、最終的にセラミックに落ち着きました。セラミックはほどよく熱を保持します。セラミックディスクを規定温度(通常、37.8°C~40.6°C)の熱湯に浸けた後、それを額に当て、体温の上昇をシミュレートしました。これは体温上昇を正確にシミュレートするものではありませんが、温度上昇を検知した際のシステムの挙動を試験しています。

実験機器 – 1

次の表は、この実験で使用した各種機器のリストです。
表 1: 実験機器– 1

ラベル 機器の種類 製造元 モデル
体温計1 携帯型体温計 QQcute FT-100A
カメラ1 サーマルIPカメラ Sunell SN-T5
ブリッジ 記録装置 イーグルアイ Bridge 3043

測定結果 – 1

サーマルカメラでは、平均すると額用体温計の+/- 0.7度(華氏)< +/- 0.38 度(摂氏)>以内に収まることがわかりました。これらの実験は、研究施設ではなく当社オフィスの予測不可能な環境で実施したものです。そのため、科学的なものではありませんが、実世界での使用形態を表しています。

FDAは最近、遠隔温度計測システムに関する最新のガイダンスを公表しました 。このガイダンスでは、+/- 0.9度(華氏)< +/- 0.5度(摂氏)>の精度を持つデバイスの使用が推奨されていますされています。

3この試験にはブリッジ304が使用されていますが、イーグルアイブリッジやCMVRのどのモデルでも同様に機能します。
4 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による公衆衛生非常事態期間中の遠隔温度計測システムに関するFDAの実施方針 セクションDパラグラフ2a https://www.fda.gov/media/137079/download

表 2:実験-1の結果

対象者 合格 体温計1 カメラ 1 差分
A 1 98.0 97.3 0.7
B 1 97.5 97.1 0.4
C 1 98.0 97.2 0.8
D 1 98.1 97.1 1.0
E 1 98.0 97.2 0.8
F 1 98.0 97.3 0.7
G 1 98.1 97.3 0.8
A 2 98.1 97.2 0.9
B 2 97.7 97.1 0.6
C 2 97.6 97.2 0.4
D 2 97.7 97.2 0.5
E 2 97.7 97.2 0.5
F 2 98.2 97.2 1.0
G 2 98.1 97.3 0.8

表 3: 実験-1の試験結果の概

差異の概要
平均 -0.71
標準偏差 0.20
-0.4
-1.0

表2から分かるように、サーマルカメラによる計測結果は携帯型体温計よりも常に低くなります。その差は、華氏-0.4~-1.0度<摂氏-0.22~-0.56度>です。このデータを検討する方法の1つが、平均差-0.7度(華氏)<-0.38度(摂氏)>をサーマルカメラと携帯型体温計の補正値として使うことです。補正値を適用すると、サーマルカメラの測定値が、補正後の値の+/-0.3度(華氏)<+/-0.17度(摂氏)>以内に収まります。この方法を用いると、求める目標温度を- 0.7度(華氏)<-0.38度(摂氏)>だけ調整し、その数値を基にアラートの閾値を設定することができます。つまり、体温が華氏100度< 摂氏37.8度>の対象者を探している場合、アラートの閾値を華氏99.3度< 摂氏37.4度>に設定すればよいのです。

実験 – 2

2020年4月24日の時点で、実験はまだ継続中です。本書は、結果が得られ次第更新されます。

市販されているサーマルカメラ

サーマルカメラを提供するカメラメーカーは数多く存在します。ここでは、すべてを網羅せず、物理セキュリティ市場の一部の有名メーカーを取り上げます。他のカメラも、入手可能になり次第追加します。

表 4:サーマルカメラメーカーのリスト

社名 サーマルカメラ デュアルスペクトルカメラ イーグルアイ対応
Axis ほとんどのモデル
Dahua 一部のモデル
Flir 開発中 開発中 開発中
Hikvision 一部のモデル
MOBOTIX 一部のモデル
Sunell ×

結論

当社で実施した実験結果は、デュアルスペクトルサーマルカメラが実環境において、人の体温を華氏0.7度< 摂氏0.38度>の精度で検知することを示しています。これはFDAのガイドラインの誤差0.9度(華氏)<0.5度(摂氏)>の範囲内にあります。これは科学的に証明されたものではなく、従業員、ゲスト、ビジター、友人、家族の安全を確保するには、これだけでは不十分であることを、当社では認識しています。しかしながら、適切な環境における第一回目の測定としては有益なツールであると確信しています。ほとんどのツールと同じように、正しく使われるか、誤った使い方をされるかは、使い手次第です。

自宅待機が解除され、人々が仕事や娯楽に戻っていくのに伴い、多くの企業や組織、そしておそらくは政府機関でも、体温の確認手段が必要になるはずです。適切に設定され、適切なアラートやレポート機能を搭載したサーマルカメラは、これらの目標を達成するための1つの方法となるかもしれません。

イーグルアイは、現在、そして未来のために、調査・研究、イノベーション、製品・サービスの提供を継続して行っています。

よくある質問

Q:懸念すべきアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)FDAのガイドラインはありますか?
A:FDAでは、発熱の測定に使用できる機器の種類に関してガイドラインを設けています。企業が機器を「発熱検知」用として市場で販売するには、510K認証を取得する必要があります。この認証は、機器が初期診断に使用され、最終診断に別の機器が使用される場合でも必要となります。つまり、一般的な体温計で温度を測定する必要がある人を識別するためだけにカメラを使用する場合でも、そのカメラには510K認証が必要です。

Q:FDAのガイドラインに関する詳しい情報はどこで確認できますか?
A:最近更新されたガイドラインは、FDAの公式ウェブサイトhttps://www.fda.gov/media/137079/downloadで確認できます。

Q:このソリューションはモバイル通信網で機能しますか?
A:はい、イーグルアイVMSはモバイル環境で動作します。映像をローカルに保存し、アラートだけをクラウドに送信するオプションがあります。アラート通知は、体温上昇を検知した場合に送信するよう設定することが可能です。

Q:サーマルカメラを使用して病気に罹患しているか確認できますか?
A:いいえ、サーマルカメラで分かるのは体温が上昇しているということだけです。平熱よりも体温が高くても、病気ではない場合もあります。病気に罹患しているどうかを判断できるのは医師だけです。

Q:自社の建物には何台のカメラが必要ですか?
A:入口の数と何台使用したいかによって変わります。通常は入口ごとに1台のカメラが必要ですが、お客様固有の配置プランについては、イーグルアイ認定販売代理店にご相談ください。

Q:Eagle Eye Cloud VMSのこの拡張機能の利用料金はかかりますか?
A:新型コロナウイルスのパンデミックが発生している期間は、追加料金なしでこの機能をご利用いただけます。

Q:この機能は以前からイーグルアイにあったものですか?
A:いいえ、これは新型コロナウイルスのパンデミックに対応してイーグルアイが開発したものです。

Q:温度上昇を検知してからイーグルアイがアラートを送信するまで、どのくらいの時間がかかりますか?
A:通常は1~2秒ですが、ネットワークの混雑状況によって前後する可能性があります。

Q:サーマルカメラメーカーの多くは中国企業ですが、サイバーセキュリティ対策の心配をすべきでしょうか?
A:カメラがどこで作られたものであっても、サイバーセキュリティを常に考慮することは重要であると当社は考えています。そのためイーグルアイには、カメラをインターネットから切り離すサイバーカメラロックダウン機能が搭載されています。

Q:このシステムが欺かれる可能性はありますか?
A:はい。誤った測定値を出したり、測定できないようにする方法がいくつもあります。環境条件も、このシステムの有効性において重要な役割を果たします。

お問い合わせ先

サーマルカメラやクラウド映像監視についてさらに詳しくは、下記までお問い合わせください。

Web:  www.een.com

米国:
+1-512-473-0500
sales@een.com

欧州:
+31 20 26 10 460
EMEAsales@een.com

アジア太平洋:
+81-3-6868-5527
APACsales@een.com

免責条項

イーグルアイ製品は、コロナウイルス、H1N1、SARS、インフルエンザを診断するようには設計されていません。イーグルアイは、カメラが医療業界または医療目的で使用されるように宣伝していません。サーマル製品は、集団の中でより高い温度を示す個人を識別することができます。サーマルカメラでは、コロナウイルスの症状がある人を検知することはできません。体温が正常な感染者を熱で検知する方法はありません。体温の高い人に疾患があるかどうかを判断できるのは、資格を持った医療専門家だけです。イーグルアイのカメラは、医療用に販売されていません。

別表A – 用語集

ブラックボディ – サーマルキャリブレーションユニットの一般的な呼称(下記参照)。

デュアルスペクトルサーモグラフィカメラ –可視スペクトルとサーマルスペクトルの両方を記録できるカメラ。

イーグルアイブリッジ – カメラからイーグルアイクラウドへ転送される映像トラフィックを管理するために現地に設置する機器。詳細はこちら https://www.een.com/product/bridge-models/

イーグルアイセキュリティカメラVMS – クラウド型映像監視システム。幅広い種類のカメラに対応し、データを映像と関連付けて管理できるプラットフォームを提供します。詳細はこちら  https://www.een.com/product/cloud-vms-system-overview/

パワー・オーバー・イーサネット(PoE) – データ通信と同じケーブルを通して電力を供給することができるネットワーク規格。この規格はIPカメラ、IP電話やワイヤレスアクセスポイントで一般的に使用されています。

遠隔温度計測システム – 包括的な温度計測システムを構築するために接続・設定された、個別機器の一式。

サーマルキャリブレーションユニット – 規定量の電磁放射線を常に放出し、熱力学的平衡状態にある機器。つまり、サーマルカメラが基準点として参照する一定の温度レベルを維持する機器。

サーマルカメラ – サーマルスペクトルを記録するカメラ。

サーマルスペクトル – 赤外線や熱に関連する光の波長の範囲。これらの波長は人間の目で見ることはできず、一般的に1,000~1,400ナノメートルの範囲にあるものをいいます。

可視スペクトル – 人間の目で見ることができる光の波長の範囲で、一般的に400~700ナノメートルの範囲にあるものをいいます。

別表B – 温度変換表

本書では主に華氏温度を用いていますが、システムは華氏と摂氏の両方に対応しています。ご参考までに、温度変換表を以下に記載します。

華氏 摂氏
105 40.6
104 40.0
103 39.4
102 38.9
101 38.3
100 37.8
99 37.2
98 36.7
97 36.1
96 35.6

別表C – 図一覧

図 1:サーマルカメラ
図 2:従来の熱監視カメラによる視覚像と熱画像
図 3:自身が放射している温度を表示する校正器(摂氏表示)
図 4: サーマルキャリブレーションユニットと一緒に設置したカメラの図
図 5:オフィス入口に設置されたサーマルカメラ

別表D – 表一覧

表 1: 実験機器– 1
表 2: 実験-1の結果
表 3: 実験-1の試験結果の概要
表 4:サーマルカメラメーカーのリスト

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